連載

「連載」では、南極・北極の自然と科学の多面的な魅力を伝えていきます。極地に関わる人たちが綴る、特集記事に関連するコラムや、極地観測・研究の裏話などをお届けします。

第3回 撮影の技術(広角レンズ編)

前回は望遠レンズの圧縮効果を利用した撮影の紹介をしました。今回は広角レンズを使用した写真です。広角レンズは広範囲を写すことができ、遠近感は望遠レンズとは反対で強調されます。遠くのものは小さく写り、近くのものは大きく写るた…

第3回 数字の裏に隠されているもの

若いときは、いつも自分が中心で、人生が、いろいろな人のお陰で成り立っていることなどには、まったく気づいていなかった。南極でもそうだった。南極には何度か来ていたが、越冬隊長をやるまでは、自分自身の狭い研究課題について考える…

第2回 究極の隠れ家?

低温のため液体の水がほとんど存在せず、極度の乾燥環境となっている南極の露岩域。短い夏の間に供給されるわずかな雪解け水も、沈まない太陽に照らされてあっという間に蒸発してしまいます。こんな環境に暮らす「いきもの」にとって大切…

第2回 撮影の技術(望遠レンズ編)

今回は撮影技術のお話です。この写真の撮影場所は、ルンドボークスヘッタという昭和基地より南方に約100キロメートルの位置にある露岩域で、南極氷床の断面が見えるのが特徴です。64次隊の地形チームが丸湾大池の湖底の堆積物を採取…

第1回 火星隕石|Yamato 000593

流れ星として地球に届けられる隕石は、私たちが手に入れることができる宇宙からの貴重な贈り物です。南極隕石ラボラトリーは、世界有数の隕石キュレーション施設として、総数1万7,000個以上の南極隕石コレクションを誇っています。…

第1回 梢の地衣

長野県で南極地域観測隊が毎年冬に行う冬期総合訓練に参加した3月初め、スキー場の冬枯れの梢(こずえ)に、毛糸の塊のようなものを見つけました。差し渡し5センチメートルほど白いボンボンのようなこれ。実は地衣類、菌類と藻類の共生…

第1回 はるかな土地 とおい時間

はじめて南極観測隊に参加して帰国した直後、大学院時代の指導教員から南極の感想を尋ねられた。「何をやるにも効率が悪いところでした」とお答えしたところ、先生は「それはきみにぴったりだね」とおっしゃった。日頃の自分の仕事の遅さ…