第5回 “Polarmanship” 探求心と諦観(後編)
“Polarmanship” 探求心と諦観(前編)はこちらから 純粋な好奇心のほかにも、名誉や功名心といったものは、研究者が仕事を進める原動力になっているのも事実である。しかし、ときどき、そういったある一線を越えた、別次…
“Polarmanship” 探求心と諦観(前編)はこちらから 純粋な好奇心のほかにも、名誉や功名心といったものは、研究者が仕事を進める原動力になっているのも事実である。しかし、ときどき、そういったある一線を越えた、別次…
初代の国立極地研究所があった板橋キャンパス(1973年創立)は、狭いながらもアットホームでまだ昭和の薫りが残る場所でもあった。その頃の職場には大学山岳部等出身のいわゆる山男がたくさんいた。2009年までの15年ほどを、若…
若いときは、いつも自分が中心で、人生が、いろいろな人のお陰で成り立っていることなどには、まったく気づいていなかった。南極でもそうだった。南極には何度か来ていたが、越冬隊長をやるまでは、自分自身の狭い研究課題について考える…
2009年、国立極地研究所が東京都立川市に移転するとき、厳重に施錠された板橋*1の観測物資の倉庫から大量の水銀*2が見つかった。この水銀がいったい何のために使われていたのか、しばらく謎であった。 多くの自然科学、特に地球…
はじめて南極観測隊に参加して帰国した直後、大学院時代の指導教員から南極の感想を尋ねられた。「何をやるにも効率が悪いところでした」とお答えしたところ、先生は「それはきみにぴったりだね」とおっしゃった。日頃の自分の仕事の遅さ…