連載

「連載」では、南極・北極の自然と科学の多面的な魅力を伝えていきます。極地に関わる人たちが綴る、特集記事に関連するコラムや、極地観測・研究の裏話などをお届けします。

海氷下の大藻原(だいそうげん)

潜水によりヒトが直接海中の生物群集を観察・採集し、現場実験も可能となった。「百聞は一見にしかず」というように、実際に現場を見るといろいろなことが五感を通して体感・理解でき、想像・妄想することもでき、それによって研究の方向…

綿毛・洗濯機・帰路

2024年8月9日:綿毛 ロングイヤービンでの最後の光合成測定です。キョクチヤナギは綿毛のついた種を出し始めていました。 2024年8月10日:洗濯機 大慌てで帰国の準備をします。普段は汚れた衣類は手洗いで済ませましたが…

真冬の海氷下の世界

第1回、第2回では第22次南極地域観測隊夏隊での潜水調査に触れたが、それまでの餌を入れたカゴや釣りでは採集できないものも含め、昭和基地周辺の海の生物の顔ぶれを調べることを目的としていた。その2年後の第24次隊では、筆者の…

アザラシ・足輪・晴天

2024年7月31日:アザラシ 毎日忙しく調査を進めていますが、ふと目をそらすと羨ましい姿を目にすることができます。近づくと逃げてしまうため、超望遠レンズでの撮影です。 2024年8月1日:足輪 ニーオルスンにもカオジロ…

海氷下に潜る

日本の南極地域観測隊で最初に潜水調査をしたのは、9次隊の夏隊生物部門の福井義夫隊員と越冬隊医学部門の大久保嘉明隊員だった(南極資料32, 1968)。南極観測船「ふじ」の支援の下、ラングホブデの水くぐり浦にあるペンギン営…