
第2回 アイスコアの分析方法 ‐氷の中の空気、どのように測る?-
前回はアイスコアの写真をお見せしましたが、今回は、どのようにアイスコアの中の空気を分析しているのか、ちょっとマニアックなお話をしたいと思います。 氷の中から空気を取り出す方法は、大きく分けると「融かす」、「砕く」、「昇華…
前回はアイスコアの写真をお見せしましたが、今回は、どのようにアイスコアの中の空気を分析しているのか、ちょっとマニアックなお話をしたいと思います。 氷の中から空気を取り出す方法は、大きく分けると「融かす」、「砕く」、「昇華…
まずは現場検証である。地球の事件現場はもちろん世界中にあるのだが、広大な南極大陸は97パーセントが氷に覆われており、その下の岩盤にアクセスできないことは大きなデメリットだ。一方で、南極には植生がなく、岩石の露出が非常にい…
氷床の上に立つと、どこまでも果てしなく続く白銀の世界が広がっています。そして、その下には、何万年、何十万年分もの氷が、厚さ数キロメートルにわたって堆積しています。私は、この氷床を鉛直方向にドリルで掘削して採取される円柱状…
今から8年程前だったろうか。国立極地研究所(以下、極地研)の研究者から「“しらせ”で海底コアを掘削出来ないか?」と相談を受けた。“しらせ”とは、ご存じ南極観測船「しらせ」のこと。海底コアとは、巨大な金属のパイプ:海底コア…
「私の専門は地質学で、南極大陸の岩石の研究をしています。」講演などで自己紹介をすると、怪訝な顔をされることがある。南極は氷に覆われていて岩盤などは露出していない、と思われているのだろう。その次に来る質問は、「え、じゃあ氷…
“Polarmanship” 探求心と諦観(前編)はこちらから 純粋な好奇心のほかにも、名誉や功名心といったものは、研究者が仕事を進める原動力になっているのも事実である。しかし、ときどき、そういったある一線を越えた、別次…
氷河の末端から流れ出す、真っ赤な「血の滝」。この水は、単なる氷河の融け水ではなく、氷河の厚い氷の下にある湖の水だということが分かっています。この湖は、500万年以上前に氷河によって閉じ込められた海水が起源になっていて、無…
「南極へ行ったら撮ってみたい」と思う風景の一つに、オーロラが挙げられると思います。写真は、カメラのセンサーに適量の光を取り込むことで記録されます。光の量が少ないと真っ黒に、多すぎると真っ白になります。 オーロラや星空など…
初代の国立極地研究所があった板橋キャンパス(1973年創立)は、狭いながらもアットホームでまだ昭和の薫りが残る場所でもあった。その頃の職場には大学山岳部等出身のいわゆる山男がたくさんいた。2009年までの15年ほどを、若…
シリーズ最後にご紹介するのは、Yamato-86789隕石で、これは第27次南極地域観測隊により南極やまと山脈付近で発見された真っ黒な炭素質コンドライトです。これまでの2回とは異なり見た目は地味な隕石ですが、私の学生時代…
ここまで、極限環境下で液体の水を求める「いきもの」たちの姿を紹介してきました。今回はさらにとんでもない環境、南極の氷床の底をご紹介します。 日本の37倍もの面積を持つ南極大陸は、最大で4,000メートル、平均で2,000…
前回は望遠レンズの圧縮効果を利用した撮影の紹介をしました。今回は広角レンズを使用した写真です。広角レンズは広範囲を写すことができ、遠近感は望遠レンズとは反対で強調されます。遠くのものは小さく写り、近くのものは大きく写るた…