第4回 海氷下の大藻原(だいそうげん)
潜水によりヒトが直接海中の生物群集を観察・採集し、現場実験も可能となった。「百聞は一見にしかず」というように、実際に現場を見るといろいろなことが五感を通して体感・理解でき、想像・妄想することもでき、それによって研究の方向…
潜水によりヒトが直接海中の生物群集を観察・採集し、現場実験も可能となった。「百聞は一見にしかず」というように、実際に現場を見るといろいろなことが五感を通して体感・理解でき、想像・妄想することもでき、それによって研究の方向…
第1回、第2回では第22次南極地域観測隊夏隊での潜水調査に触れたが、それまでの餌を入れたカゴや釣りでは採集できないものも含め、昭和基地周辺の海の生物の顔ぶれを調べることを目的としていた。その2年後の第24次隊では、筆者の…
日本の南極地域観測隊で最初に潜水調査をしたのは、9次隊の夏隊生物部門の福井義夫隊員と越冬隊医学部門の大久保嘉明隊員だった(南極資料32, 1968)。南極観測船「ふじ」の支援の下、ラングホブデの水くぐり浦にあるペンギン営…
南極・昭和基地の周りの海はほとんど一年中凍りつき、陸上にも花の咲く植物は無く、ごく限られた場所にコケや地衣類がわずかに見られるのみで白一面の世界が広がっている。海洋生物を研究するといっても厚さ1メートル以上もある海氷(海…