連載 エッセイ「飛ばす」 宇宙へ 1997年1月、夜勤を終えた後、昭和基地の居住棟にある個室で休んでいるところへ、気象庁本庁から一本の電話がかかってきた。 「帰国したら気象衛星センターだから。」 こうして、それまで全く経験したことのない気象衛星業務に携わ… 2025.02.18
連載 エッセイ「飛ばす」 未知との遭遇 南極上空のオゾンの減少を世界に先駆けて発表し、のちにそれが南極オゾンホールの世界最初の報告と認められた忠鉢繁氏(第23次南極地域観測隊)は、オゾンホールのようなそれまでの概念から外れた、これまで知られていない新しい現象に… 2025.01.28
連載 エッセイ「飛ばす」 風を読む バチバチバチバチ。第十居住棟の壁を叩くステイの音で目を覚ます。窓の外は真っ白だ。今日はゾンデ番、ちょっと憂鬱になる。 昭和基地の気象観測は24時間休みなしだ。このため、気象庁から派遣されている隊員が、日勤、夜勤、ゾンデ番… 2025.01.07
連載 エッセイ「飛ばす」 高く高く飛ばしたい 昭和基地に行ったことのある人ならきっと、白い大きな気球が大空に吸い込まれていくのを見たことがあるに違いない。これは、上空の気温や湿度、風向風速を観測するために1日2回飛揚させる気象観測用の測器(レーウィンゾンデ)をぶら下… 2024.12.23