連載

「連載」では、南極・北極の自然と科学の多面的な魅力を伝えていきます。極地に関わる人たちが綴る、特集記事に関連するコラムや、極地観測・研究の裏話などをお届けします。

第3回 未知との遭遇

南極上空のオゾンの減少を世界に先駆けて発表し、のちにそれが南極オゾンホールの世界最初の報告と認められた忠鉢繁氏(第23次南極地域観測隊)は、オゾンホールのようなそれまでの概念から外れた、これまで知られていない新しい現象に…

第2回 風を読む

バチバチバチバチ。第十居住棟の壁を叩くステイの音で目を覚ます。窓の外は真っ白だ。今日はゾンデ番、ちょっと憂鬱になる。 昭和基地の気象観測は24時間休みなしだ。このため、気象庁から派遣されている隊員が、日勤、夜勤、ゾンデ番…

第1回 高く高く飛ばしたい

昭和基地に行ったことのある人ならきっと、白い大きな気球が大空に吸い込まれていくのを見たことがあるに違いない。これは、上空の気温や湿度、風向風速を観測するために1日2回飛揚させる気象観測用の測器(レーウィンゾンデ)をぶら下…