南極に潜る。氷下に挑む──MONACAの歩み(前編)
2025年、第66次南極地域観測隊がリュツォ・ホルム湾を離脱する前日、国産のAUV(自律型水中ロボット)“MONACA(モナカ)”が初めて無索自律航行を達成した。開発は2017年に始まり、2021年には北海道紋別で海氷下…
2025年、第66次南極地域観測隊がリュツォ・ホルム湾を離脱する前日、国産のAUV(自律型水中ロボット)“MONACA(モナカ)”が初めて無索自律航行を達成した。開発は2017年に始まり、2021年には北海道紋別で海氷下…
海洋生態系を支える栄養素 今回の第67次南極地域観測隊には、 66次隊での観測(写真1)に引き続き, 海洋生態系を支える微量栄養素である鉄の分布を南大洋で分析するためのチームが参加します。どのような生物にも鉄は生命活動に…
データを蓄積する 国内でも北海道での人工海氷プール、オホーツク海の海上保安庁巡視船の流氷パトロールや凍結したサロマ湖上での海氷と積雪のマイクロ波研究(写真1)などを実施してきました。このような研究の積み重ねで観測や実験デ…
ブロッキング現象の観測 1997年6月17日。越冬中の最大の休暇期間であるミッドウィンター祭*を目前にしたこの日、気象ゾンデの強化観測を始めました(写真1)。私がドームふじに来た目的はブロッキング現象の観測でしたが、それ…
2025年、第66次南極地域観測隊において、国産AUV(自律型水中ロボット)”MONACA(モナカ)”はリュツォ・ホルム湾とトッテン氷河沖の2箇所で同海域では初めてとなる無索自律航行を達成した。こ…
大雪 ドームふじでは珍しく地吹雪が吹き荒れ、厚い雲が全天を覆い、真夏の気温になったミッドウィンターの日々に、降雪があったはずですが、地吹雪と混合していましたので、降雪量は測れませんでした。しかし、このブロッキング現象が運…
多岐に渡る北極の地表面 北極域は、多様な気候変化が人々の生活や産業などに関係し、分野を超えた情報の交換や理解が重要です。融雪期には雪氷のアイス・アルベドフィードバックによって気候影響を起こし、また、融雪は水文学過程にも重…
ダイヤモンドダスト ダイヤモンドダストは寒い地域の特徴として日本でも取り上げられます。南極のドームふじでは青空の中でキラキラと輝いて見えます(動画1)。気象学の専門用語では、英語でclear-sky precipitat…
はじめに 前回は、「アートを通して南極とつながる」をテーマに昭和基地から美術の授業を行ったことや、南極の自然の美について取り上げました。私は、高校で美術を担当する教員ですが、一人の彫刻家として石を彫る作家でもあります。私…
氷床トラバース 私はこれまで日本隊、オーストラリア隊、日本-スウェーデン共同隊で南極観測に参加してきました。2003年のオーストラリアの砕氷船オーロラ・オーストラリス(Aurora Australis)による南極海氷観測…
上空ほど気温が高い!? 標高約1,000 mの軽井沢は夏の避暑地として有名です。標高の高いところほど気温が低いのは気象の一般です。ところが、条件が整えば、標高が高いほど気温が高くなる場合があります!気象学の教科書には気温…
はじめに:「ARTを通して南極とつながる」 私は「ARTを通して南極とつながる」というテーマで南極授業を実施しました。紫外線で感光する青焼き写真を用いた作品制作、南極をテーマにした絵本制作、そしてグラフィックレコーディン…