
教科「美術科」と南極〜美術から見る南極の魅力〜:南極派遣を振り返って(小松:後編)
はじめに 前回は、「アートを通して南極とつながる」をテーマに昭和基地から美術の授業を行ったことや、南極の自然の美について取り上げました。私は、高校で美術を担当する教員ですが、一人の彫刻家として石を彫る作家でもあります。私…
はじめに 前回は、「アートを通して南極とつながる」をテーマに昭和基地から美術の授業を行ったことや、南極の自然の美について取り上げました。私は、高校で美術を担当する教員ですが、一人の彫刻家として石を彫る作家でもあります。私…
氷床トラバース 私はこれまで日本隊、オーストラリア隊、日本-スウェーデン共同隊で南極観測に参加してきました。2003年のオーストラリアの砕氷船オーロラ・オーストラリス(Aurora Australis)による南極海氷観測…
マイナス32.6度 1997年1月16日、マイナス32.6度、晴れ、5m/s。ドームふじ基地に到着して雪上車の外に出た瞬間、気温の低さに緊張しました。「大変なところに来てしまった」と。今見返すと前日の気温はもっと低かった…
「お金がいくらかかってもいいなら、ペンギンで何がしたい?」 4年前、入学前の打ち合わせで、現在の指導教員に言われたことです。「うわっ、試されているな」と思いましたが、同時に、ここに入学したいという思いが芽生えたのを憶えて…
ブロッキング現象の観測 1997年6月17日。越冬中の最大の休暇期間であるミッドウィンター祭*を目前にしたこの日、気象ゾンデの強化観測を始めました(写真1)。私がドームふじに来た目的はブロッキング現象の観測でしたが、それ…
上空ほど気温が高い!? 標高約1,000 mの軽井沢は夏の避暑地として有名です。標高の高いところほど気温が低いのは気象の一般です。ところが、条件が整えば、標高が高いほど気温が高くなる場合があります!気象学の教科書には気温…
はじめに:「ARTを通して南極とつながる」 私は「ARTを通して南極とつながる」というテーマで南極授業を実施しました。紫外線で感光する青焼き写真を用いた作品制作、南極をテーマにした絵本制作、そしてグラフィックレコーディン…
雪の状態をどうしても見たい! 人工衛星に搭載するマイクロ波センサーによる観測はますます重要になっていきました。特に極域ではその効果が期待されました。雪が積もっているかどうか、雪に覆われた地面の土壌水分はどんな感じか、海氷…
前編記事では、南極派遣中の経験について話をさせていただきました。後編では、南極での経験がどのように情報科の授業や教育観の変化につながったのかを具体的に紹介します。 “つくる人・支える人”に思いを馳せる授業へ 南極は情報科…
スプートニク、人工衛星の発展と重なる人生 1957年10月4日、旧ソ連が世界で初めての人工衛星スプートニクを打ち上げ、宇宙時代の幕開けとなりました。同じ日、奇しくも私もこの世に生を受け、人工衛星の歴史と人生が重なることに…
コンピュータの教員が南極に? 2021年10月、僕は第63次南極地域観測隊の同行者(教員派遣枠)として南極観測に加わる機会を得ました。「教員南極派遣プログラム」は2009年から始まり、すでに長い歴史がありますが、「情報科…
尊敬し助け合える関係性 65次夏隊の広報隊員がお伝えしてきた連載の最後は、観測隊そのものについて触れたいと思います。 観測隊を構成している隊員・同行者は、一人ひとりが産官学の各分野から研究者、技術者たちが本来の所属先で選…