連載

「連載」では、南極・北極の自然と科学の多面的な魅力を伝えていきます。極地に関わる人たちが綴る、特集記事に関連するコラムや、極地観測・研究の裏話などをお届けします。

氷の底(前編)

ここまで、極限環境下で液体の水を求める「いきもの」たちの姿を紹介してきました。今回はさらにとんでもない環境、南極の氷床の底をご紹介します。 日本の37倍もの面積を持つ南極大陸は、最大で4,000メートル、平均で2,000…

撮影の技術(広角レンズ編)

前回は望遠レンズの圧縮効果を利用した撮影の紹介をしました。今回は広角レンズを使用した写真です。広角レンズは広範囲を写すことができ、遠近感は望遠レンズとは反対で強調されます。遠くのものは小さく写り、近くのものは大きく写るた…

数字の裏に隠されているもの

若いときは、いつも自分が中心で、人生が、いろいろな人のお陰で成り立っていることなどには、まったく気づいていなかった。南極でもそうだった。南極には何度か来ていたが、越冬隊長をやるまでは、自分自身の狭い研究課題について考える…

普通コンドライト(H3)| Yamato-82038

前回は肉眼で見て美しい暗緑色の火星隕石をご紹介しましたが、今回は顕微鏡を覗いたときに“映える”普通コンドライト隕石のお話をしたいと思います。宇宙空間から飛来する隕石には様々な種類がありますが、その中でも普通コンドライトは…

究極の隠れ家?

低温のため液体の水がほとんど存在せず、極度の乾燥環境となっている南極の露岩域。短い夏の間に供給されるわずかな雪解け水も、沈まない太陽に照らされてあっという間に蒸発してしまいます。こんな環境に暮らす「いきもの」にとって大切…

撮影の技術(望遠レンズ編)

今回は撮影技術のお話です。この写真の撮影場所は、ルンドボークスヘッタという昭和基地より南方に約100キロメートルの位置にある露岩域で、南極氷床の断面が見えるのが特徴です。64次隊の地形チームが丸湾大池の湖底の堆積物を採取…