ホッキョクグマを目撃したら、112番へ通報する。

北極研究者の写真日記。国立極地研究所 北極観測センターの内田雅己准教授が、北極はノルウェー領スバールバル諸島の春から初夏にかけての風景と、そこで取り組む研究を写しとっていく。

内田雅己(うちだ・まさき)
内田雅己(うちだ・まさき) 北極観測センター 生物圏研究グループ 准教授
様々な国々が北極での科学研究の拠点としているノルウェー領スバールバル諸島はニーオルスンで、極域における微生物の有機物分解や氷河後退が陸上生態系に与える影響を調べています。

2024年7月6日:柵

今回は長期滞在のため、スバールバル大学の宿舎に滞在しています。自炊なので、食料を街唯一のスーパーマーケットで調達します。裏手の山には、短い間隔で柵が設置されています。高い木は生えない場所ですので、雪崩を防止するための柵です。

2024年7月9日:112

ロングイヤービンは観光地としても人気があります。船、車、犬ぞりなどでの遠征や、ツンドラハイキングも人気です。ホッキョクグマの生息地であるため、遭遇した際には身の安全を確保した後に、行政機関へ連絡するようになっています。

2024年7月10日:トラブル

海外での調査で困ることの一つに、測定機器のトラブルがあります。光合成測定装置は葉の温度を測定できるのですが、その数値が異常な値を示すようになりました。測定を中止して、温度センサーの部分を確認します(写真中央の細い針金部分が温度センサーです)。