連載

「連載」では、南極・北極の自然と科学の多面的な魅力を伝えていきます。極地に関わる人たちが綴る、特集記事に関連するコラムや、極地観測・研究の裏話などをお届けします。

柵・112・トラブル

2024年7月6日:柵 今回は長期滞在のため、スバールバル大学の宿舎に滞在しています。自炊なので、食料を街唯一のスーパーマーケットで調達します。裏手の山には、短い間隔で柵が設置されています。高い木は生えない場所ですので、…

スカレビークスハルセン:初めて参加した第23次南極地域観測隊(1981-1983)で調査した、南極・昭和基地から南に約70kmの露岩。スリランカと共通の岩石がたくさん見つかった。

ゴンドワナの隣人

ゴンドワナ・・・約2億年前まで地球に存在した超大陸である。当時、アフリカ、南米、オーストラリア、インド、マダガスカルなどとともに南極大陸もゴンドワナの一員であった。 このゴンドワナが分裂を開始し、お隣同志だった大地が引き…

花・光合成装置・トナカイ

2024年7月6日:花 ロングイヤービンから 100km ほど北に位置するニーオルスンだと、ちょうど花が咲き始める感じですが、ロングイヤービンでは、花のシーズンが終わりかけの場所がありました。 スバールバル⼤学の南側にあ…

石の現場検証

まずは現場検証である。地球の事件現場はもちろん世界中にあるのだが、広大な南極大陸は97パーセントが氷に覆われており、その下の岩盤にアクセスできないことは大きなデメリットだ。一方で、南極には植生がなく、岩石の露出が非常にい…

アイスコア

氷床の上に立つと、どこまでも果てしなく続く白銀の世界が広がっています。そして、その下には、何万年、何十万年分もの氷が、厚さ数キロメートルにわたって堆積しています。私は、この氷床を鉛直方向にドリルで掘削して採取される円柱状…

地球の事件現場

「私の専門は地質学で、南極大陸の岩石の研究をしています。」講演などで自己紹介をすると、怪訝な顔をされることがある。南極は氷に覆われていて岩盤などは露出していない、と思われているのだろう。その次に来る質問は、「え、じゃあ氷…

“Polarmanship” 探求心と諦観(後編)

純粋な好奇心のほかにも、名誉や功名心といったものは、研究者が仕事を進める原動力になっているのも事実である。しかし、ときどき、そういったある一線を越えた、別次元の人たちに出会うのも極地研究の面白いところだ。日常とは異なる極…