北極研究者の写真日記。国立極地研究所 北極観測センターの内田雅己准教授が、北極はノルウェー領スバールバル諸島の春から初夏にかけての風景と、そこで取り組む研究を写しとっていく。
- 内田雅己(うちだ・まさき) 北極観測センター 生物圏研究グループ 准教授
- 様々な国々が北極での科学研究の拠点としているノルウェー領スバールバル諸島はニーオルスンで、極域における微生物の有機物分解や氷河後退が陸上生態系に与える影響を調べています。
2024年8月6日:キョクアジサシ
作業が一段落したので、夕食後に少し散歩しました。まだ白夜の時期ですが、曇り空の夜の8時過ぎると暗く感じます。キョクアジサシのいろいろな姿が見られました。
2024年8月7日:雨
あっという間に10日が過ぎ、明日ロングイヤービンに移動する日となりました。大急ぎで荷物やサンプルの整理をします。雨のため、視界が悪くなっています。この状態だと飛行機は着陸できないので、明日までに天候が回復することを期待します。
2024年8月8日:黒い氷河
朝からぐずついた天気で、飛行機が来る前には結構雨が降りましたが、幸い定刻通りに飛行機が到着しました。ニーオルスンに別れを告げ、ロングイヤービンに移動します。
途中氷河が見えましたが、雪氷微生物が繁殖しているのか、氷河の大部分の表面は黒色化していました。