約40日ぶりの日没。

北極研究者の写真日記。国立極地研究所 北極観測センターの内田雅己准教授が、北極はノルウェー領スバールバル諸島の春から初夏にかけての風景と、そこで取り組む研究を写しとっていく。

内田雅己(うちだ・まさき)
内田雅己(うちだ・まさき) 北極観測センター 生物圏研究グループ 准教授
様々な国々が北極での科学研究の拠点としているノルウェー領スバールバル諸島はニーオルスンで、極域における微生物の有機物分解や氷河後退が陸上生態系に与える影響を調べています。

2024年8月9日:綿毛

ロングイヤービンでの最後の光合成測定です。キョクチヤナギは綿毛のついた種を出し始めていました。

2024年8月10日:洗濯機

大慌てで帰国の準備をします。普段は汚れた衣類は手洗いで済ませましたが、最後は洗濯機できれいにします。とはいえ、ノルウェー語の洗濯機なので、使い方やコース選択でしばらく格闘しました。

2024年8月11日:帰路

午前4時に起き、早朝の飛行機で南下を開始します。ロングイヤービンの町と調査地に機上からお礼と別れを告げることができ、また、約40日ぶりに日が沈むのを見ることができました。27時間かけて気温差が30度程ある東京に向けて一気に移動します。

連載「北極での研究と生活」は今回で終了となります。お読みいただいた方、感想、ブクマ、コメント下さった方々に御礼申し上げます。どうもありがとうございました。