海氷ルート工作の現場。

昭和基地は南極大陸本土ではなく、東オングル島と呼ばれる島にあります。昭和基地の外に出て観測するには、どこへ行くにもまず海氷を越えなければなりません。そのために行われるのが「ルート工作」です。「ルート工作」は、基地から目的地まで安全に移動するためのルートを、常に変化する不安定な海氷の上に作る緊張感のある作業です。長年ルート工作に携わってきた青山雄一准教授に、道なき道を敷設する苦労を伺いました。

青山雄一(あおやま・ゆういち)
青山雄一(あおやま・ゆういち)
国立極地研究所 南極観測センター准教授。専門は、地球(とその変動)を測る測地学。測地学の観測手法を駆使して南極域の雪氷圏・海洋圏・固体地球の変動現象を観測し、その変動メカニズムを研究。南極地域観測隊には第36次、第49次、第55次、第59次、第61次、第64次に参加し、第61次隊では越冬隊長を務めた。ノルウェー・トロール基地やインド・マイトリ基地でも観測を実施。